ヴィンテージシンセ 主なモデルと希少価値

楽器

ヴィンテージシンセサイザーとは

発売から数十年経過してもなお市場価値が衰えず、高値で取引が行われるアナログシンセです。

部品が現存しているものや、代替品で基盤や端子の修理が可能なことが特徴。

壊れていても買取をしている楽器店も多く、シンセ専門の修理業者へ依頼し再販する企業もあります。

反対に新しいデジタルシンセサイザーは、廃盤となり部品も無く修理不可能なケースが多い傾向にあります。

今ではデジタル化が進み、誰でも同じ音が手軽に出せるようになっていますが

古いアナログシンセはハンドメイドで作られている機種や、激しい個体差を含め

それでしか出せない音色等魅力的な部分が多くあり、現代でも各メーカーが昔の音色を再現しようと復刻版の制作が多く見受けられます。

代表的なメーカー・モデル

MOOG (モーグ)

Mini Moog

中古相場 ~50万円程

初代モーグを小型化し鍵盤を搭載したミニモーグ

イギリス出身のキーボーディスト Keith Emerson(キース・エマーソン)がロックにシンセサウンドの要素を取り入れ、開発されて間もないシンセサイザーを世に知らしめた際に使用したモデル。

現在もクリエイターやキーボーディストから愛用され、ヴィンテージシンセの代表的なモデルとなっています。

MODEL Dとは

Minimoogを調べるとModel Dと呼ばれる品番が出てきます。

これは製作時のプロトタイプがA>B>Cと続き、完成し販売された段階が『D』だったからのようです。

そのため『Minimoog』と『Minimoog Model D』に違いはありません。

Walnut材が採用されたモデルはより価値があるものになります。

また、Minimoogには前期型と後期型の二種類に大別することができます。

シリアルナンバーの#10175以降のモデルは基盤が変更され、変更前が前期型、変更後は後期型と呼ばれています。

前期型はリアパネルにあるトリム穴が11個、後期型は16個と見た目の違いがあり確認が可能です。

シリアルは#1001から始まっており、生産完了年(1981年)までに約12,000台が作られました。

MemoryMoog

中古相場 ~40万円

3VCOを搭載、音色メモリのできるポリシンセでMOOGらしい太いサウンドが特徴。

後にMIDI対応した後継機種MemoryMoog+が発売

MemoryMoog+ 1982~1985年

中古相場 ~120万円

MIDI無しの初期モデルでも改造すれば対応可能になるようですが、人気は圧倒的に+の方になります。

Roland(ローランド)

JUPITER-8

中古相場 100万円前後

1981に開発された8ボイスのポリシンセで、当時の定価は約100万円程

プロミュージシャンではミッキー吉野(ゴダイゴ)、ニック・ローズ(DURANDURAN)が使用。

力強いアナログサウンドと充実した性能で現在も人気の高いモデル。

ただ修理作業が難解のため、業者によっては断られることもしばしば

こちらも前期型と後期型があり、後期型のほうが若干高値で取引されています。

違いとして後期型はDCB機能を装備、前期と音も全く違うとのこと。

TR-909 

中古相場 50万円前後

シーケンサーを内蔵したレジェンド的なドラムマシン

TR-808の後継機にあたり、MIDI規格へ対応したモデル

当時の定価は約20万程。1983年~1984にかけ10,000台が制作されました。

アナログ回路で構成された高クオリティのドラム音源や、内蔵シーケンサーによる独特の操作性、グルーブ感が魅力的なモデル。

前期型と後期型でバスドラムに関する部品が代わっており、アタック感に違いがあります。

主な見分け方はシリアルナンバーで、381500を堺に後期型となります。

TB-303

中古相場 ~30万円前後

1982年発売 

発売当時は特に人気は出なかったが1980年代後半になり

独特の音色と内蔵シーケンサーのグルーブ感が評価されヒット商品へ

主にダンスミュージックに欠かせない音色として需要が高まり、アシッドハウスと呼ばれる音楽ジャンルを確立する存在となりました。

中古市場ではその分価格が徐々に高騰し、今でも入手が難しいモデルになっています。

SEQUENTIAL CIRCUITS (シーケンシャル・サーキット)

PROPHET-5

中古相場 50~70万円程

1978年~1984年にかけて発売され、日本での販売価格は170万円

NAMM SHOWにて発表され、当時としては革新的な仕様により世界中の名だたるアーティストからの注文が殺到したそう。

バージョンが大きく4つに大別可能(Rev.1~Rev.4)

※Rev.とはRevisionの略でバージョンとほぼ同義で使用されます。

部品を加えることでMIDIに対応し120メモリとなったREV.3.2が一番の人気となっています。

ARP ( アープ )

ODYSSEY

中古相場 30万

モノフォニックシンセの名機としてミニモーグに並ぶ存在

サウンドはモーグとは対照的に、シャープでヌケの良い印象が強いです。

バージョンは3つに大別ができ

Rev.1 白パネルの最も有名なモデル

Rev.2 白モデルから一転、黒パネルへ 

Rev.3 最も生産数が多い 黒パネルに金の文字が特徴

初期型になるにつれ価値が上がります。

2600

1970年に発売され10年以上もロングセラーとなった名機

機動戦士ガンダムの効果音のほとんどがこのモデルで作られたそう。

数量限定で販売された復刻版も現在は価値の高いものになっています。

発売当時の価格は100万円前後

初期型でキーボードが付いているものが人気の傾向にあります。

Oberheim(オーバーハイム)

Xpander(エクスパンダー)

中古相場 35万円~

MIDI機能の6ボイス・アナログシンセ

複雑なモジュレーションシステムはマトリクス・モジュレーションと呼ばれ、自由度の高さが評価されています。

USA製と日本製があり。USA製のほうが堅牢で安定しており、市場価値も高いです。

Matrix-12

中古相場 90万円

Xpanderの後継機種

24のVCO、アフタータッチ対応鍵盤、MIDI機能も搭載

音色はオーバーハイム特有の分厚く心のあるサウンド

TM NETWORKのブラス音源としても使用されています。

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